半田そうめんと和泉半生手延べそうめん
和泉半生手延べそうめんは愛知県安城市で作られているそうめんです。
その歴史は江戸時代1780年ごろからと言われています。
天明の飢饉で食糧難に窮した和泉の農民たちがそうめんの製法を覚え、独自のそうめんをつくりだしたのではないかとされています。
和泉半生手延べそうめんの特徴はやはり半生めんであること。
半田そうめんにも半生めんをつくっている製麺所がありますが、和泉そうめんが一風変わっているのは、夏場に作られるというところです。
普通は寒い時期の寒風を使ってそうめんを乾燥させるのですが、和泉そうめんは麺を一度完全に乾燥させてから、もう一度湿らせて生めん
の状態に戻す「半生もどし」という製法を用いているのです。
湿らせるのは三河湾から吹いてくる湿った風。
そのために冬ではなく夏に作られているというわけです。
乾燥、半もどしという手間隙をかけて丁寧につくられた半生めんは、半田そうめんのシコシコしたコシとは違う、もちもち感を伴ったコシを持っています。
そうめんでこんな食感を楽しめるのも半生めんだからこそと言えるでしょう。