つるぎ町半田は、人口およそ5500人。この小さな地区に40もの業者がそうめん作りに従事し、年間約3500トンのそうめんを生産しているというのですから、驚きます。
人口の約3割の人がそうめん作りに関わっている、まさに「そうめんの里」なのです。
国道沿いには他の各種特産品とともに、そうめんの販売所が幾つも設けられ、町内屈指の地場産業として、半田そうめんは半田地区のシンボル的存在となっています。
秋口、寒そうめん作りが始まります。
秋から冬にかけての低い気温と剣山から吹き下ろす寒風、乾燥した空気が美味しいそうめんを作るにはもってこいだからです。
町のあちらこちらの庭先では、そうめんの門干し(かどぼし)が行われ、2m近くまで伸ばされたそうめんが、長い棒にひっかけられ吊るされている様は、まるで白い糸でできた暖簾のようです。
冬の澄んだ青空の下で連なる白いそうめんの海はこの時期ならではの風物詩でしょう。
半田そうめんの里として全国に名前を知られるようになった半田ですが、やはり、他の四国地域と同じく、高齢化、過疎化という問題を抱えています。
また、40ある業者の中でも、家族経営で代々続けてきた小規模零細事業者が多い。加えて、この不況と小麦の高騰がそうめん業者の経営を苦しくしているはずです。
しかし、そんな時だからこそ、「そうめんの里」の底力を発揮して欲しい。
一度食べたら忘れられない、半田そうめんの魅力をもっともっと町をあげて伝えていけるのではないかと期待しています。