半田そうめんと三春手延べそうめん
三春手延べそうめんは福島県三春町で作られているそうめんです。
江戸時代の「和漢三才図会」という百科事典のような書物に三春そうめんの記述がありますが、正確な起源や由来については分かっていません。
しかし、一時期は農家の冬の副業として、藩の特産品として盛んに作られ、幕府に献上されていたそうです。
その後、明治維新によって廃藩、小麦畑は桑畑へと姿を変え、三春そうめんはプッツリと途絶えてしまいます。
復活したのは昭和末、福島在住の麺匠・箭内芳雄が古文書を紐解き、苦心の末に三春そうめんを蘇らせたのです。
ただ昔のそうめんを再現したのではなく、三春の特産品として再び全国にその名を知らしめたのですから、生産関係者、地元の人たちの努力は並大抵のものではなかったことでしょう。
三春手延べそうめんの特徴は平麺であること。
長さも普通のそうめんの1.5倍くらいあります。
半田そうめんのように、三春そうめんも初めて食べる人に言わせるとうどんに近い食感とつるみがあります。
しっかりとした力強いコシは手延べならでは、平麺ということで更にそのコシが強調されるのかもしれませんね。